ソーシャル・ビジネスの新たな取り組み
NEXTシステムズITサービス事業部部長の高野です。
私はグラミン銀行創設者で2006年ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士が提唱する経済システムを調べはじめました。
ユヌス・ソーシャル・ビジネスとは、ビジネスを通して社会問題を解決しようとする経済システムのことです。
・・・・と前回ブログ(https://www.next-jp.net/blog/3835.html)では概要のみを記載しました。
ユヌス・ソーシャル・ビジネスの原則は、以下の7つです。
1)ビジネスの目的は、利益の最大化ではなく、貧困、教育、環境等の社会問題を解決すること
2)経済的な持続可能性を実現すること
3)投資家は投資額までは回収し、それを上回る配当は受けないこと
4)投資の元本回収以降に生じた利益は、社員の福利厚生の充実やさらなるソーシャル・ビジネス、自社に再投資されること
5)ジェンダーと環境へ配慮すること
6)雇用する社員にとってよい労働環境を保つこと
7)楽しみながらビジネスをすること
今回のブログでは、この原則にしたがい実業としてユヌス・ソーシャル・ビジネスに取り組み始めている企業をご紹介します。
その企業とは、日本最大規模のエンターテイメント企業である「吉本興行グループ」です。
ユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会社(大﨑洋社長)を立ち上げ、所属タレントによって全国47都道府県を盛り上げる取り組みを2019年から開始しています。
[参考]吉本興業のソーシャルビジネス始動 全国の移住芸人、各地の課題解決へ事業化 福岡からは畳支援の事例報告(2019年5月30日付 西日本新聞オンラインより)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/514330/
2021年10月からは、沖縄県がソーシャルビジネスアイランドになることを目指す新たなプロジェクトが始動させています。
吉本興業グループは2009年から『沖縄国際映画祭』を毎年開催し、地域活性を目指した数々の取り組みを行ってきています。
つまりは、地域に根差したビジネスを10年以上前から継続していることになります。
[参考]吉本興業 沖縄でソーシャルビジネス支援へ(2021年10月21日付 日テレNEWS24より)
https://www.news24.jp/sp/articles/2021/10/21/06960409.html
(左から)吉本興業ホールディングスの大﨑洋会長
九州大学教授の岡田昌治さん
株式会社よしもとラフ&ピース社長の和泉かなさん
<具体的な事業の紹介>
1.ソーシャルビジネスにつながる講演会やワークショップの開催
2.起業家に向けたリアルとオンラインでの相談・支援窓口の開設
3.『島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭』でのビジネスコンテストの開催
4.ソーシャルビジネスをテーマとした番組の制作・放送(2022年3月にBS放送局を開局予定)
<大崎洋氏の言葉>
社会問題という難しい問題を、笑いやエンタテインメントの力で解決したい。
いつの時代も人のつながりが大切だと思っています。
貧困ゼロ、失業ゼロ、二酸化炭素排出ゼロのポジティブな笑顔あふれる社会を作るには、
個人では難しい。
われわれはあくまでそのきっかけづくりをしたいのです。
(2021年10月21日 「島ぜんぶでうむさんラブ」記者会見より)
前回のブログと同じ問題提起となります。
みなさんの事業や取り組みの目的は明確になっており、利害関係者に理解されているでしょうか?
次回は、日本におけるソーシャル・ビジネスに取り組む教育・研究機関をご紹介します。
ヒントは、本文に書いてますね・・・