心理学入門④

2022年7月19日

NEXTブログをご覧の皆様、NEXTシステムズのITサービス事業部サービス開発チームの田中です。

前回から引き続き「心理学」をテーマに取り扱っていきます。
今回の記事では現代心理学の主流とも言われる「認知心理学」について解説いたします。

認知心理学とは?

ヴントの実験心理学⇨ゲシュタルト心理学・精神分析学・行動主義心理学と「客観性」「実証性」を重視してきましたが、1950年代に入り、行動主義に対する批判から「認知心理学」という分野が発展してきました。
「認知心理学」とは、人間が持つ「知覚」「記憶」「思考」「意思決定」などの精神的プロセスを科学する心理学です。
同時期に情報科学が発展してきたことを受け、人間が持つ精神的プロセスを高次の情報処理システムと捉える学問として、アメリカの心理学者ウルリック・ナイサー(1928-2012)は、この「情報処理心理学」を「認知心理学」と名付けました。
ナイサーは、認知心理学を次の通りに定義しています。

>> 「感覚入力が変換され、還元され、精緻化され、貯蔵され、回復され、そして用いられる、そのすべてのプロセスに関わる学(1967)」

参考:wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6

記憶のはなし

認知心理学はさまざまなプロセスの研究を含むため、ここではピックアップして「記憶」の話をしたいと思います。
皆様は「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」という言葉を聞いたことがありますか?
認知心理学ではこれらの「記憶」を「多重貯蔵モデル」といいます。
それぞれ

①感覚記憶:五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)から得た情報を一時的に保存する記憶、数秒程度しか保持できない。

②短期記憶:感覚記憶から送られる情報を記憶、数十秒程度保持できる。

③長期記憶:短期記憶から送られる情報を記憶、忘れない限り保持される。

たとえば、友人から後日ランチでもいかないか?と電話番号が載ったメモを渡され「視覚」により知覚(①)
この時、友人の電話番号の語呂が良く覚えやすかったため(②)ではなく、(③)として記憶することができた。
後日、友人との約束を思い出し、 (③)の記憶を元に発信、待ち合わせランチを楽しむことができた・・・といったものです。
※②についてはマジカルナンバー7±2という論説もあります。
※マジカルナンバー7±2:人間がすぐに記憶できる短期記憶領域は7個前後(ジョージ・ミラー 1920-2012)

 

あとがき

認知心理学では、今回説明した「記憶」以外にも、知覚や推論、問題解決のプロセス、意思決定など幅広い範囲を取り扱っています。
興味のある方は、参考文献を載せていますのでぜひ読んでみてください。
次回は心理学入門(最終回)として「教育心理学」「社会心理学」「日常における心理学」をご紹介できたらと思います。

それでは皆様、ご覧いただきありがとうございました。

<参考文献>

・心理学 新版 (New Liberal Arts Selection)無藤隆 (著), 森敏昭 (著), 遠藤由美 (著)
 https://honto.jp/netstore/pd-book_28916345.html

・心理学が明かす心のメカニズム―行動主義から認知心理学まで―(22世紀アート)高田 理孝 (著)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6BJSKMB

サービス一覧
ITマネジメント

ITサービス(IT管理)

社内のIT運用をしっかりと管理する仕組み作りをお手伝いします

ITマネジメント

ITプラットフォーム

無停止サーバーやクラスターの導入でITを止めないシステムを