少しの工夫であなたの資料がもっとステキに! ワンポイントデザインレッスン~フォントの種類と選び方編~
いつもお世話になっております。NEXTシステムズの河村です。
先月、先々月と続けてきたワンポイントデザインレッスンですが、今回で一旦最終回となります。
今回は「フォントの種類と選び方編」と題しまして普段何気なく見ているフォントの大まかな種類や、
どの場面にはどんなフォントを使うのが適切か、といった解説を行おうと思います。
また、例によってコンパクトな解説を行いますので説明をかなり省略する場面もありますので興味を持たれた方は
是非文末の参考文献を購入して勉強して頂ければと思います。
フォントの種類~基礎知識~
さて、話を始めていこうと思うのですがそもそもフォントや書体とは何ぞや、という方も多いのではないでしょうか。
フォントとは、「ある書体を表現する為の、一揃いの活字やデータファイル」の事を指す言葉です。
元々フォントは活版印刷に使用される金属活字を指す言葉だったのですが、近年はPC上で作字やデザインを行う事が多くなってきましたので上記の意味に変化してきています。
そんなフォントは必ず何かしらの書体をベースに作られています。
書体とは「一貫したコンセプトの元、作成される文字の集まり」の事を指します。
その為、関係性としては図のようになります。
フォントの種類~和文書体~
前項にてフォントは何かしらの書体をベースに作られています。
という解説を行いましたがここでは基本的な書体について紹介をしていこうと思います。
・楷書体…楷書体は字画を続けたり省略したりせず、一画一画を書いた書体の総称です。
元々手書き文字として成立していた書体で現代でも書道のお手本として使われています。
有名なフォント:游教科書体など
・明朝体…明朝体は楷書体を整理・単純化し横線を細く、縦線を太くした書体です。
「はね」や「はらい」といった文字の筆意を表現するエレメントが含まれている事が特徴です。
また、書籍や雑誌を始め日常生活を行う中で生活の至る所で見かける事が多い為日本人には非常に馴染み深い書体です。
有名なフォント:游明朝体、ヒラギノ明朝体、Noto Serif JPなど
・ゴシック体…ゴシック体は全ての線や点画がほぼ同じ大きさになるよう設計された書体の総称です。
直線的な形状が特徴である為、文字の大きさを変更してもある程度の可読性が担保されます。
その為、公共機関のサインやポスター、高い視認性や可読性が求められる工事現場の看板等によく使われています。
有名なフォント:メイリオ、ヒラギノ角ゴシック、Noto Sans CJK JPなど
・丸ゴシック体…丸ゴシック体はその名の通り、ゴシック体の角を丸めた書体の総称です。
曲線的な文字が生み出す優しい印象特徴的であり子ども向けの絵本や女性向けの商品パッケージなどで使われる事が多いです。
有名なフォント:HG丸ゴシック体、ヒラギノ丸ゴシック、筑紫A丸ゴシックなど
フォントの種類~欧文書体~
欧文書体も和文書体同様、文字の形によっていくつかのカテゴリーに分類されます。
その中でも基本となる書体は以下の通りです。
・セリフ体…明朝体の様に文字に「セリフ」と呼ばれるエレメントが装飾されているのが特徴的なフォントです。
ついているエレメントの形状によってセリフ体の中でもカテゴリー分けされます。海外版の明朝体のような立ち位置です。
有名なフォント:Century、Times New Romanなど
・サンセリフ体…サンセリフ体は「セリフ」が無い書体の総称です。
和文書体的にはゴシック体が近いイメージです。無機質かつストレートな書体で非常に使い勝手が良く、
モダンな印象を与えてくれる為、近代的な会社のロゴによく使われている書体です。
有名なフォント:Helvetica、Futura、Franklin Gothicなど
・スクリプト体…スクリプト体は手書きの流れを残した書体の総称です。
ほとんどのフォントが筆記体の様に文字が続け字になる様設計されているので使用する際は字間に注意を払わなければなりません。
よくお菓子やおもちゃのパッケージに使用されています。
有名なフォント:Shell Roundhand、Shelly Allegro Script、Mistral Regularなど
・ディスプレイ体(スラブ体)…ディスプレイ体は広告や看板などでよく使用されるフォントの総称です。
デザイン性が高くフォントによって個性が全く異なり種類が非常に多く存在しています。
有名なフォント:Citizen Slab、Museo Slab Font、Flab Font Family
フォントの選び方
ここまで和文書体と欧文書体の分類や特徴について紹介してきましたが非常に種類が多すぎて「何をどう使えば…」と混乱してしまいそうです。
ですが、文字の持つ特徴を意識すれば使いどころのヒントが見えてきます!
資料や文書作りを使う上でありそうなシチュエーションの一例をまとめてみましたので是非参考にしてみてください!
見出しやタイトルを目立たせたい…
信頼感や安心感を与えるようなプレゼン資料が作りたい…
プレゼン資料の始めと終わりをオシャレにしてみてもらう人の記憶に残りやすくしたい…
注意点
さて、ここまでフォントの選び方について例を用いながら説明してきましたが1点注意してもらいたい事が有ります。
それは「あくまでデザインの4大原則からは外れない」事です!
デザインの4大原則である「反復」は何か一つの要素を、全体を通して繰り返す事
そして、アクセントを付けるための「コントラスト」でしたね。
使用するパワーポイント1枚1枚違うフォントで作成されていては統一感もコントラストも無くなってしまいます。
資料を作る時は、見出しや主張したい箇所では○○フォント、平文は××フォント、飾り文字として△△フォント
を少し使うという様に使用するものを予め決めてから資料を作成すると良いでしょう。
まとめ
3回にわたって連載してきたワンポイントデザインレッスンですが、これにて本編は終了になります。
この記事を読んでくださった貴方の資料がより良いものになれば幸いです。
次回は、本編では説明を省いてしまった箇所、コメントでもっと解説を行ってほしいと要望があった箇所について
補足説明を行う記事の予定になっておりますのでもう少々お付き合い頂ければと思います。
次回の記事でお会い致しましょう、それでは~(/・ω・)/
参考文献
タイポグラフィの基本ルール ⁻プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック⁻
大崎善治 著
https://www.amazon.co.jp/dp/B01M721DIP/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_MNK0H0QZDEHNT0TCJ9AJ
たのしいロゴづくり -文字の形からの着想と展開
甲谷一 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4861008395/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_RFZZZQAV6NZ2QD6JAE0A
ロゴロジック 実例が証すロゴデザイン
高田雄吉 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4756244254/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_20A2N44TFZKF6P7SR4RG
京都広告デザイン.com コラムページ
https://kyoto-ad-design.com/column/
fontnavi “書体”と”フォント”の違い
https://fontnavi.jp/zakkuri/101-typeface_and_font.aspx