リベラルアーツ入門③
NEXTブログをご覧の皆様、NEXTシステムズのITサービス事業部サービス開発チームの田中です。
前回に続き「リベラルアーツ入門」シリーズをお届けします。
まだ過去の記事をご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、以下リンクからご覧ください。
リベラルアーツ入門①
リベラルアーツ入門②
今回はリベラルアーツにおける、自由七科から上級四科について掘り下げてご説明していきたいと思います。
リベラルアーツの上級四科とは?
前回の記事では、自由七科の中から基礎となる三科、「文法学」「修辞学」「論理学」をご紹介しましたが、
「算術」「幾何学」「天文学」「音楽」からなる四科では、
基礎学で身につける読み書きや論理学といった言語能力習得から発展し、応用学問として数学的思考を学びます。
算術、そして幾何学
歴史を振り返ると、古代メソポタニア、古代エジプトなどの古代文明の時代より土地の測量、
経済活動、暦、ピラミッドの作成など、算術、幾何学は人々が社会生活を送る上で必要な知識として活用されてきました。
古代ギリシャ時代では、「数」「図形」「空間」を実用的に利用する世界に「論理」を組み合わせ、
タレス、ピタゴラス、ユークリッドなど、多くの哲学者、数学者が数々の定理を展開すると共に、
これまで実用性メインであった算術、幾何学を学問として成立させました。
天文学とは
天文学は、天体(惑星や恒星、銀河など)や天文現象(日食、月食、流星群など)を研究する学問として、
古くは暦を作るところから始まったとされています。
ギリシャ時代における天文学では、先述したタレスによる「日食の予言」やピタゴラスによる「金星の発見」など、
様々な説を唱えていきました。
特にピタゴラスはあらゆる事象には数が内在しており、宇宙の万物は全て数と計算で解明できる。
「万物は数なり」と宣言しました。
「調和と音楽」
なぜ「音楽」は、リベラルアーツの学問の一つとして、学ばれていたのか。
それには当時の人々が考えていた、「天空の音楽」という概念を理解する必要があります。
人々は、宇宙の12星座や惑星が規則的に巡っていくことに、「調和(Harmonia)」を感じていました。
そしてその「調和(Harmonia)」は「音楽(Musica)」であると考えていました。
「宇宙が音楽を奏でる」という概念は人々にとって重要であり、自由人が習得すべき学問対象となったのでした。
あとがき
今回は、リベラルアーツの自由七科から応用四科(算術、幾何学、天文学、音楽)を解説しました。
「宇宙が音楽を奏でる」というワードから、癒される動画を思い出したので貼っておきます。
コズミックフロントヒーリング
当時の人々は、幾つもの学問を学びながら、夜空を見上げて、音楽の調和を感じていたんですね。(素敵だ)
最終回では、「音楽」をもう少し掘り下げて、そして現代におけるリベラルアーツの重要性をお届けしたいと思います。
次回もお楽しみに!
[参考文献]
リベラルアーツの学び方 著者:瀬木 比呂志 出版:ディスカヴァー・レボリューションズ
https://honto.jp/netstore/pd-book_27156511.html
リベラルアーツとは何か その歴史的系譜 著者:大口 邦雄 出版:さんこう社
https://honto.jp/netstore/pd-book_26266205.html
数学4000年の歩み 著者:上野 健爾 京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/tenjikai/2003/zuroku/pdf/4000.pdf
リベラルアーツ概念の歴史的変遷-レトリックによる「判断力」の養成をめぐって 著者:玉田 敦子
https://researchmap.jp/atsuko_tamada/published_papers/32039328/attachment_file.pdf
ピタゴラスやプラトン、ケプラーからたどる「音楽がもたらす宇宙の調和」指揮者・ピアニスト・古楽器奏者:大井 駿
https://ontomo-mag.com/article/column/music-and-space202101/
[参考動画]
中世ヨーロッパの基礎的な学問「7自由学科」の一つが音楽 -バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
– 明治学院大学名誉教授 樋口 隆一
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3019
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