たまごの値段がなぜ高くなったのでしょうか?
ITサービス事業部・高野です。
ITエンジニアリングにはあまり直結しないであろう内容の執筆が常ですが
今回も例によって・・・「たまご価格の高騰」についてです。
タイトルのとおりなのですが、たまごの価格がここ2カ月で平均小売価格が高騰しています。
●ロシアによるウクライナ侵攻
飼料となるトウモロコシや機械の燃料となる原油の価格が高騰していること
●鳥インフルエンザの流行
感染拡大のため、親鳥の処分やたまごの移送制限により供給量が減っていること
上記のような回答をされる方がほとんどではないでしょうか。
NHK News Web
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230201/2000070643.html
「たまごが先か?鶏が先か?」
論理矛盾を示す際に用いる表現で、
「一方が生まれるにはもう一方がすでに存在していなければならない」という
つじつまが合わない状況を表す例えとしても使われていたりします。
私の業務はITエンジニアリングです。
ITエンジニアリングの醍醐味は「仕組みづくり」です。
これは私の趣味でもあるマーケティングでも共通するところです。
たまご ・・・ 成果物(結果)
鶏 ・・・ 成果を生み出すもの
このように「たまご」と「鶏」をわけて考えていただくと
いかに「鶏」が安定的に「たまご」を生み出せるかという仕組みが重要だということに気がつきます。
これは養鶏業者だけの話としてではなく、食料自給の根本にある「輸入原料への依存」という課題(※)があり
このことが一因となって原価高騰につながり、小売価格にまで影響したことになります。
我が国の食料・農業をめぐる状況
農林水産省・令和4年9月
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/shokunou_dai1/sankou2.pdf
※飼料だけでなく、肥料自給率も低いことが報告されています。
また、新型コロナウイルスが世界的に流行した際にも「未知なるものへの備え」が充分であったのか?
日本のウイルス研究、新薬開発は適切に機能したのかといった議論がありました。
厚労省、農水省といった行政間での連携が進まない課題(※)については、たびたび論じられることがあります。
いっぽうで、ワクチン開発や免疫学研究の観点から「予防」に向けた国家レベルでの推進が必要な状況でもあります。
私が考える「仕組みづくり」とは・・・
上記のような課題(※)に対しては対策を施し、たまごを安定的に供給できる社会システムづくりです。
大きなプロジェクトには、ロードマップやビジョンも必要ですし、中期、短期計画といったものも必要です。
課題を克服するためのミッションも必要です。
計画立案した後でも、社会は日々動いています。この変化にあわせて、計画やミッションも見直しが必要です。
あらためて、今回のタイトルに戻ります。
たまごの値段がなぜ高くなったのでしょうか?
それは鶏がたまごを安定的に生み出し、社会に安定供給するための仕組みづくりが不十分だからです。
経済産業省・資源エネルギー庁サイト(https://www.enecho.meti.go.jp/)より転載
けっして、原価高騰、ウイルス感染といった外的なことがたまご価格高騰の原因ではありません。
原価高騰、ウイルス感染は、仕組みづくり不十分(リスク)を作動させた契機でしかないと思います。
表在化している現象から、真の原因まで論理的に思考し掘り下げること。
真の原因に着目し、恒久的に対策するにはどのような工夫が必要なのかを考えること。
そして、考え抜いた結論に基づいて詳細まで仕組み化すること。
読んでいただいたみなさまのうちの誰かおひとりにでも、
私の考えるITエンジニアリングの醍醐味や楽しさが伝われば幸甚です。
<参考>
1.「採算に乗る事業」の仕組みづくり 金森亨/中央経済社
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