事業戦略チーム・高野です。
コーヒーのブランディングについてですが、前回は「ブルーマウンテンコーヒーは品質を高めることで有名になったこと」をお話しさせていただきました。
今回は最終話として「ジャマイカの取り組み事例」をご紹介いたします。
ジャマイカが取り組んだのは「ブランド認知」です
一般的にコーヒー豆は麻布に入れて運びますが、麻の袋は安価に手に入れることができて、かつ風通しも良く
コーヒー豆を保存するのに適切(Better)であることから良く使われています。
ブルーマウンテンはコーヒー樽を使用しています。
起源となるものは、戦略的なものではなく”たまたま”です。
18世紀のジャマイカはイギリスの植民地だったのですが、イギリスから船積みされた小麦粉やお酒が入っていた樽を再利用して、
ジャマイカ産のコーヒー豆やラム酒などを入れて輸送したのが起源です。
ブルーマウンテンが使用しているコーヒー樽は、主にアメリカ産の温帯林の木材を使用しています。
現在では樽で保管すること自体、麻布に比べてはるかに手間もコストもかかります。
それでもブルーマウンテンはあえてコーヒー樽での運搬にこだわっています。
1)保湿効果
木製の樽は木が内外の湿気を吸収・放出するので、輸送している際に温度変化があったとしてもできる限りそれを緩和させます。
2)ニオイがない
コーヒー豆はニオイをすぐに吸収するので、ニオイの強いものの近くに置いておくと、変な香りがついてしまいます。
しかし、この樽はニオイがないのでその心配をする必要もありません。
3)香りがある
ニオイと香りは別のものです。風味といえるかもしれません。
コーヒー豆とコーヒー樽との関係でいうと、最近ではコーヒー豆をウィスキーが入っていた樽などでわざとしばらく寝かせて、
ウィスキーの味をコーヒー豆に染み込ませるという方法が登場しています。
もともとウイスキーなどのお酒を運搬したりしていた樽を再利用しているブルーマウンテンです。
ウイスキー独特の豊潤で深みのあるいい香りがコーヒー豆に染み込むことは想像できます。
上記3つのことは、「品質」のためです。
いっぽうで、ブルーマウンテンがコーヒー樽を使い続けるこだわりは「ブランド認知」のためでもあります。
コーヒーを輸送するときは何に入れて運ぶと思いますか?
という質問をすると、麻布と答える方もいますが、樽と答える方も多いです。
ブルーマウンテンの輸入が始まった昭和の時代には、喫茶店の店先にコーヒー樽をオブジェとして飾るブームが生まれ
いまでもまに見かけるくらいブルーマウンテンがもたらしたコーヒー樽は広く浸透しています。
ブルーマウンテンを扱う店舗のシンボルオブジェがコーヒー樽そのものであり、コーヒー樽が置かれていることで
そのお店にいけば美味しいコーヒーが飲めるというブルーマウンテンのファン層に向けたプロモーションが展開されました。
ぜひコーヒー樽を見かけたらジャマイカやブルーマウンテンの刻印”BLUE MOUNTAIN”や表記があるか確認してみてください。
そして、なによりブルーマウンテンコーヒーを味わっていただくことをおすすめいたします。
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