事業戦略チーム・高野です。
普段はインフラエンジニアをしていますが、
今回もコーヒーのマーケティングについて述べさせていただきます。
<注意点>
絵やイラストは、差し込みません(キッパリ)。
今回の投稿内容は、とても堅苦しく、読むだけでもたいへん時間がかかるものです。
申し訳ありませんが、10分以上お時間にゆとりのない方は、最後の数行だけ読んでください。
1.コーヒー市場の状況
まず最初にお伝えしたいことはコーヒーには大きく2種類の品種があります。
アラビカ種とロブスタ種です。アラビカ種はきっとどこかで聞いたことあるのではないでしょうか?
アラビカ種は高地栽培かつ病気や気候変動に弱いため、生産量が安定しません。
一方でロブスタ種は低地栽培もできることから量産しやすい。
アラビカ種・・・貴重=カフェやコーヒー店向けに販売
ロブスタ種・・・安価&量産可能=インスタントコーヒーなどの主成分
まず知っていただきたいのは、日本における国別生豆輸入量(2021年)。トップ3はご存じですか?
1位は、みなさんのご想像どおり「ブラジル」です。
2位は「ベトナム」、3位は「コロンビア」です。
豆知識 <まさかベトナムが2位?>
実はブラジルに次ぐ世界2位の生産国であり、その生産量のうちの9割近くが「ロブスタ種」です。
フランスの植民地であったこともあり、コーヒーを飲む文化の形成は古く、ベトナムコーヒーに代表されるような独特の楽しみ方が根付いています。
出典:全日本コーヒー協会
https://coffee.ajca.or.jp/pdf/data-gc-yunyuryou-tanka2021.pdf
ただし、今回の投稿でお伝えしたいのは、カフェやコーヒー店で使用されるアラビカ種に関連するマーケティングについてです。
2.マーケティング戦略
私がコーヒーのことを投稿している段階で、「きっとStarbucksCoffeeに違いない」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
でも、実は今回だけは違います。
猿田彦(さるたひこ)珈琲
某社の缶コーヒーGの監修を務めていることもあり知っている方が多いのではないでしょう。
店名のユニークさも目立つ猿田彦珈琲は、ブランディングに優れたコーヒー関連企業のひとつだと思っています。
豆知識 <猿田彦(さるたひこ)って?>
古事記や日本書紀に登場する「道ひらき」の神様の名前です。
日本のあちこちに「猿田彦神社」があり、「新たなことに挑戦する時の祈願」で訪れる方が多いようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%92%E3%82%B3
猿田彦珈琲のWEBサイトには、以下のようなメッセージがあります。
https://sarutahiko.co/
「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」。
猿田彦珈琲が創業時からずっと目指し、そしてこれからも願う姿。
私たちが誇りをもってお届けするコーヒーを通じて、
おいしさはもちろん、今日もいい一日になるように心を込めてお届けしています。
すっきりとした言葉で明確な理念を伝えています。
そして、この理念を表すかのようにWEBサイトでは、コーヒーへの愛情が見事に表現されています。
私は「わたし、コーヒー苦手なんです」という方がいれば、まずはこのWEBサイトを見てほしいと伝えるようにしています。
大袈裟ではなく、このWEBサイトを見ることで「ここのコーヒーであれば飲んでみたい」と感じる方がいると思います。
マーケティング戦略のひとつとして「ロイヤルカスタマー戦略」や「ファン戦略」というものがあり、
特定企業の製品やブランド、サービスに対して、深い愛着と信頼、忠誠心を持ち、継続的に購入・利用してくれる顧客を醸成する戦略です。
ロイヤルカスタマーやファンは、競合に流れることなく、繰り返しの購入や利用を期待でき、他者に推奨してくれるような強力な存在になります。
このロイヤルカスタマーやファンを形成するにあたり大切な要素が「理念」や「志」になります。
この「理念」や「志」がいかに明確でわかりやすく単純なものであるか。ここが重要と思います。
猿田彦珈琲のマーケティング戦略が素晴らしいのは、その先の連鎖にあります。
ファンになったお客さんが猿田彦珈琲をSNSで広め、それこそ某大手広告代理店D社やH堂に多額の広告宣伝費をあえて投じなくても集客力やブランド力が波状的に強まっていく「アンバサダーマーケティング」の実践になります。
企業がみずからの裁量でアンバサダーを勝手に任命するのとは異なり、草の根的に自然発生的にアンバサダーが生まれる土壌を作ることこそが、BtoCを行なう企業にとっては重要です。猿田彦珈琲のマーケティング戦略はとてもわかりやすい事例といえます。
3.コーヒー豆の格付け
みなさんは、国際コーヒー機関(https://www.ico.org/)というものがあり
果実に「優」や「秀」といった等級があるように、コーヒーにも格付けがあり、格付けを行なっている事をご存知でしょうか?
格付けの基準としては「標高の高さ」や「粒の大きさ」になります。
キリマンジャロ(タンザニア)
エメラルドマウンテン(コロンビア)
クリスタルマウンテン(キューバ)
アンデスマウンテン(エクアドル)
コーラルマウンテン(コスタリカ)
ガヨマウンテン(インドネシア)
マウントハーゲン(パプアニューギニア)
レッドマウンテン(ケニア)
「どおりで、山とか山地をあらわす名前が多いな」と感じていた方も多いのではないでしょうか。
標高が高いものほど美味しく、かつ収穫量も少ないため希少価値が高くなります。
そのマウンテンコーヒーといわれる標高が高い産地で収穫できる銘柄の中で
有名なものが「ブルーマウンテン(ジャマイカ)」になります。
ブルーマウンテン(ジャマイカ)の希少性をあらわすものとして「100グラム単価」があります。
ぜひ他の銘柄と比較してみてください。その希少性は明確にわかると思います。
この銘柄がどのようなマーケティング手法で有名になり、どのような経緯をへて現在に至るのか。
次回の投稿では、このあたりを述べたいと思います。
NEXTシステムズ株式会社(https://next-jp.net)
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